障害者(特に視覚障害者)とコンピュータ
2006年01月30日 更新 | タグ: アクセシビリティ
柴田が、こと「ウェブサイトのバリアフリー」ということを考え始めたのは、2000年のことでした。精華大学に勤めていた頃で、HTML の勉強をしている過程で、神崎正英さんの「ハンディがあっても利用できるページづくり」を読んだように覚えています。
その後、京都の NPO である SCCJ と大学コンソーシアムの主催した「ウェブ・アクセシビリティ講座」などに参加したりして徐々に具体例を知っていくのですが、そのアクセシビリティ講座で最初に聞いた話が印象的でした。それは、点字の辞書の話です。
晴眼者の辞書と違い、点字の辞書は場所を大きく取ります。英和辞典など、晴眼者は片手でもって使うことができますが、点字の場合は、本棚ひとつぶんにもなることがあるというのです。これがコンピュータで辞書が使えるようになって、たいへん楽になったというお話でした。
Windows 等をつかえば、テキストデータは読み上げることができます。辞書のみならず、様々な文書をテキストデータに変換することで、コンピュータが使える視覚障害者にとっての使い勝手はとてもよくなるのです。
視覚障害者にとっての強い武器となりうるコンピュータ
柴田はまだ視覚障害者の方々からしか、直接お話を伺ったことがないので、こと視覚障害者ということで話を進めますが、下記は、たぶん視覚障害者だけに限った話ではないと思います。
たとえば「手紙を書く」という行為。それまで視覚に障害を持ったひとが手紙を書く際には、どうしてもほかのひとに頼む必要がありました。しかしコンピュータの普及と OS の音声対応によって、独力で手紙を書き、電子メールであれば、そのまま誰の手も借りることなく相手との遣り取りができるようになりました。
情報入手ということでも、それまでは点訳や音訳を待たなければ知ることのできなかった情報をインターネットを介して、手に入れられるようになりました。
いわば場合によっては、晴眼者よりもコンピュータの恩恵をうけているのです。視覚障害者福祉施設である京都ライトハウスでは、コンピュータを活用することで視覚障害者の方々の仕事を創出する努力をしておられます。恩恵の一例といえるでしょう。